【Photosophy】P.6 写真撮影概論 §2 絞りを合わせる
今回は実際に絞り優先で撮影するときにどんなことを考えるのかを書きたいと思います。
まず、撮影するときに絞りを優先するモードに合わせます。カメラの撮影モードを絞り優先モード——AあるいはAvと書かれているモード——に合わせます。そうすると、絞りは自分で合わせて、他はカメラが勝手に決めてくれます。
あとは絞りを合わせるのですが、これが意外と難しかったりします。
絞りを調節すると
-
被写界深度——ボケのおおきさ
-
全体の解像度
が変化します。解像度に関しては絞りに左右されやすいのですが、被写界深度に関しては
- レンズの焦点距離
- 被写体との距離
- ピント位置と背景との距離
にも依存しますので、同じ絞りで撮影しても、35㎜のレンズで撮影した時よりも、50㎜
で撮影した方がボケが大きかったり、同じ焦点距離のレンズなのに、近づいて撮影したらボケている部分が多くなったりします。
全然違う構図なので分かりにくいと思いますがそこはご勘弁ください。
このように、同じ絞りでも他の要因で被写界深度——ボケ——はかなり異なってきます。
さて、2枚目の画を見ますと、ボケの形がレモン型になっています。これは口径食といわれるもので、大体どのレンズでも起きる現象です。このレモン型が嫌な方は少し絞りましょう。
しかしながら、
上の画では、ボケが六角形になっています。今度はボケが絞りの形になったわけです。
まん丸のボケにするには絞りの枚数を多くするしかないので、高級なレンズを買うしかありません。ちなみに、オールドレンズマニア=六角形好きだったりはします。
丸か多角形かは好みの問題ですので、個人的には気にする必要はないと思います。
他にも、ボケが二重線になっていたりすることがありますがこれはレンズの問題です。
お高いレンズを買うと綺麗なボケであることが多いです。気になる方は、レンズの購入前に作例をあさり見るしかありません。
さて、実際の撮影の時にどうしたら良いかといいますと
- ぼかしたいとき・・・解放付近
- ぼけてほしくないとき・・・F8ぐらい
- 分からないとき・・・F4ぐらい
といった風に——著者は——撮影します。
後は、撮影しながら微調整をしていく感じです。
なぜ、ぼかしたくないときにF8より大きくしないのかといいますと、絞りすぎると、
- 光の取り込む量が少なくなる。→暗くなる。
- 画質が落ちる。
といった現象が起きるからです。
大体のレンズはF8前後が一番画質が良くなります。このぐらい絞りますと被写界深度も十分なことが多いので、これ以上絞るメリットがないわけです。
こちらの画は絞り込んだ時の様々な現象が写りこんでいるものです——F値がいくつかは忘れてしまいましたが、F22近くまで絞っていたことは確かです。
ゴーストやフレアが写りこんでいます。
絞り込んでいいこと?もあります。光源から出る光芒を長くすることができます。上の画でも街灯から6本の光が伸びているのを確認できます。ちなみにこの線の本数は絞りの羽根の数に依存します。6枚だと6本、9枚だと9本になります。
他にも、開放付近では周辺減光が発生します。
あまり歓迎される現象ではありませんが、上手に使うとレトロっぽい写真になります。
ちなみに、周辺減光と同時に周辺画質も低下しています。
遠景を撮影する際は絞った方が良いでしょう。
最後に、絞りの調節の際に意識するとよいこととして一つあげると立体感です。
この2枚を比較しますと、1枚目の方が平面的で、2枚目の方が立体的に見えないでしょうか。
写真は現実——3次元——の物を2次元に収めているので、ものによってはのっぺりとしてつまらなくなったりします。それを疑3次元的に表現できるのがボケのよいところだと思います。
思ったよりうまく書けませんでしたが、ご参考になればと思います。
ご覧いただきありがとうございました。